2016年9月13日

キナバル基本情報

● 目次

//  キナバル山とは // 登山ルート // キナバル山の天候 // ラバンラタレストハウス(山小屋) // キナバル登山の持ち物 // 登山に必要な体力と技術 // 高山病について // 現地ガイドとポーター //

● キナバル山とは

キナバル山は東南アジア、マレーシアのボルネオ島北部に位置する独立峰で、標高は4095m。東南アジア最高峰と呼ばれることも多い。
ベースとなる街はサバ州の州都、コタキナバルで、ボルネオ島(マレーシア領)では最大の都市である。日本からはマレーシア航空で直行便も出ている。
キナバル山はコタキナバルの街から車で東に2時間ほど行ったところにある。
キナバルとは、現地民族であるカダザンドゥスン族の言語「アキナバル」から来ていると言われ、その意味は「祖先の霊が宿る山」、人がその生涯を終えるとキナバル山に帰っていくと伝えられている。現地民族にとっては非常に神聖な場所なのである。
キナバルの語源について別の説では、キナは中国、バルは未亡人の意味があり、中国の王子とこの地に残された未亡人の伝説もあるようです。
2000年に世界自然遺産に登録され、多くの観光客・登山客が訪れている。
熱帯雨林のジャングルから高山帯まで、6000以上の植物と100種以上の哺乳類が確認されています。



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● 登山ルート

2017年2月の時点では、ティンポホンゲートから登るルートのみとなっています。メシラウネイチャーリゾートから登るメシラウルートは2015年の地震の影響により現在も封鎖されています。
ティンポホンゲートからラバンラタ小屋まではおよそ6時間かけて1400m標高を上げます。40分~1時間おきに休憩用のシェルターが設置してあり、ベンチ、トイレ、案内板があります。
ラバンラタ小屋から頂上のロウズピークまでは3時間~4時間。小屋を午前2時半~3時の間くらいに出発し、日の出の6時半ころに頂上に到達します。途中のサヤサヤ小屋チェックポイントを5時までに通過しなければなりません。


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● キナバル山の天候

基本的には年間を通して登山可能です。
時期によって降雨確率は前後しますが、雨の少ない時期でも土砂降りになることもありますし、
逆に雨の多い時期でも数日間雨が降らない事もあります。
雨季の雨はスコール的なものが多く、一日中降り続くことはあまりありません。
いずれにしてもキナバル山のあるエリアは熱帯雨林に位地しておりますので、しっかりとした雨具は必携です。
パラッと降ってすぐに止むこともよくあるので、折りたたみ傘も重宝するかもしれません。
気温ですが、コタキナバル市街は1年を通して25~35℃。
3300m付近のラバンラタ小屋で昼間は12℃前後、夜中で7℃前後。
4095m頂上での早朝で3℃前後、氷点下まで下がる事は稀ですが寒さ対策はしっかりしておきましょう。

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● ラバンラタレストハウス(山小屋) 3273m

標高3300m付近にたくさんの山小屋が集まっていますが、その中で代表する山小屋がラバンラタレストハウスです。レストランも付属していて非常に便利です。ラバンラタの部屋が取れない場合は、他の山小屋泊になりますが、食事はラバンラタに食べに行きます。
ラバンラタ小屋には売店があり、水、コーラ等ジュース、ビール、スナック類を買う事ができます。水洗トイレ完備。お湯シャワーもありますが、ソーラーで温めているので天気が悪いと冷たい水しかでません。気になる小屋内の寒さですが、全然寒くありません。ベッドには毛布が2枚重ねてあり、それだけで十分温かく眠ることができます。もし寒さを感じれば、ダウンジャケット等を着て寝れば問題ないはずです。一応、レンタルでシュラフ等を借りることもできます。
詳しい内部の写真はギャラリーを参照してください。

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● キナバル登山の持ち物

1.バックパック(30L前後) : 小屋泊登山なのでこのくらいのサイズのザックで十分です。
2.バッグ、スーツケース : 旅行全般の荷物をいれるバッグ類。登山中はいらない荷物をこれに入れて、公園本部に預けます。
3.登山靴 : ハイカットの軽登山靴。雨が多いのでゴアテックスがベター。若しくは防水スプレーをかけておこう。
4.バックパックカバー : 雨対策です。必携!!
5.雨具上下 : 雨対策です。必携!!登頂時の防風ジャケットとしても使います。
6.防寒着 : フリース1枚、インナーダウン1枚あるといいですね。
7.ティーシャツ : 汗だくになるので1枚予備にもっておくといいです。
8.ズボン : 速乾性のアウトドア用。
9.下着と靴下 : 予備でワンセットあるといいでしょう。登りは汗だくになります。
10.薄手の手袋 : 軍手可。ちょっと手が冷える時に使います。
11.厚手の手袋 : 頂上に行く時に使います。
12.帽子 : 日よけ用
13.ニット帽子 : 頂上に行く時の防寒用
14.ストック : 必携ではないが、あると楽ですよ。
15.ヘッドランプ : 必携。頂上に行く時に使用します。
16.ヘッドランプの予備電池 : 念のため。
17.ビニール袋数枚 : 雨対策。濡らしたくないものはビニール袋に入れてからザックに入れると安心。
18.サングラス : 日差しが強いのであったほうがよい。
19.日焼け止め : 日差しが強いので持参しましょう。
20.飲料水 : 現地で買ったペットボトルでOK。
21.トイレットペーパー : 念のため持っておくと安心。
22.タオル : 小屋にシャワーがあります。
23.行動食 : おやつ
24.頭痛薬等 : 高山病対策としてはバファリン(アスピリン系)がお勧め。
25.折り畳み傘 : 必携ではないが、あるといいかも。

※ 登山に必要のない荷物はキナバル公園事務所に預けることができます。サイズに関係なく1個12リンギットです。

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● 登山に必要な体力と技術

ロープワーク等の特殊な登山技術は必要なく、登山初心者でも挑戦可能な山であると言われています。とは言え富士山よりは標高が高いため、ある程度の高山病の知識と備えがあった方がいいでしょう。
体力的には標高差、行程を考えると富士山に近いと言えます。1日6時間程度登山道を登る事のできる体力が必要です。

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● 高山病について

高山病とは、高地において低気圧、低酸素に順応できないことにより人体に生じる一連の症状の総称のことです。標高2500mを越えると高山病を発症する可能性が出てくると言われています。高山病のなりやすさには個人差があり、若くて健康だろうとも、普段から運動をしていようとも、なるときはなります。また、男女差はありません。富士山でも頭痛や吐き気を感じる人は少なくないと思いますので、キナバルは4000mちょっとだからと油断はせず、以下の気を付けるべきポイントは押さえておきましょう。

① 水分補給をしっかり行いましょう。体内の水分が不足すると血液の粘度が上昇し血中の酸素運搬が円滑に行われなくなり、これが高山病を引き起こす原因のひとつとなります。
② ゆっくり歩こう。単純に言うと行動による酸素消費量が呼吸による酸素供給量を上回らなければ高山病は回避できるはずです。運動量を増やすと酸素消費量も増えるので、とにかくゆっくり歩くことが重要です。
③ 体を冷やさないようにしよう。体温の低下は血管の収縮の原因となり、血流が悪くなります。結果、高山病を引き起こす原因となります。頂上に行くときは温かい服で!!
④ 下山しよう。軽い症状であれば休憩すれば回復します。高山病の症状がひどい場合、対処方法は下山(高度を下げる)以外にありません。1000メートル程降りればほとんどの場合回復します。

キナバル山は1日で上げる標高差が大きいので、5000m級の山に登った経験がある人でも体調を崩すことがあります。甘くみないで、上記に記載したようにできる対策はしておきましょう。

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● 現地ガイドとポーター

キナバル登山には現地ガイドの同行が義務付けられています。5名までに対して1名の現地ガイドが同行します。通常登山料金に含まれています。
別料金で荷物を持ってくれるポーターを雇う事も出来ます。荷物が多い人、手ぶらで登りたい人はポーターを雇ってもいいかと思います。10kgまで持ってくれます。また、ガイドも頼めば荷物を持ってくれますが、その場合はチップを忘れずに。

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